平成31年(2019年)101日から実施される消費税の軽減税率制度において、同一の飲食料品の販売に適用される消費税率が異なる場合の価格表示の具体例等を、関係省庁連名(消費者庁・財務省・経済産業省・中小企業庁)で取りまとめ、公表した。
 消費税の軽減税率制度では、「酒類および外食を除く飲食料品」および「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を軽減税率の適用対象品目としているため、テイクアウト(飲食料品を持ち帰りのための容器に入れる、または包装を施して行う飲食料品の譲渡)および出前(単に相手方が指定した場所まで飲食料品を届ける行為)には軽減税率が適用されることとなる。
 一方、店内飲食(飲食設備のある場所で飲食料品を飲食させる役務の提供)には標準税率が適用されることとなるため、テイクアウト等および店内飲食のいずれの方法でも飲食料品を提供する飲食店等を営む外食事業者や、イートインスペース(テーブルや椅子等の飲食に用いられる設備がある場所)のある小売店等の事業者では、同一の飲食料品の販売につき適用される消費税率が異なる場面が想定される。
 店内飲食(標準税率)およびテイクアウト等(軽減税率)で異なる税込価格を設定する場合における価格表示方法としては、両方の税込価格を表示する方法、どちらか片方のみの税込価格を表示する方法、の2つが考えられる。
 は例えば、【ハンバーガー 330円(324円)( )はテイクアウトの値段となります。】等の表示方法で、店内飲食とテイクアウト等の利用割合が同程度の場合が想定される。
 は例えば、【ハンバーガー 330 テイクアウトの場合、税率が異なるため別価格となります。】等で、店内飲食またはテイクアウト等のどちらか片方のみの利用がほとんどである場合などが想定される。この場合、店内掲示等で店内飲食またはテイクアウト等では価格が異なる旨の注意喚起を行うことが望ましい。
 その他、事業者がどのような価格設定を行うかは任意のため、テイクアウト等の税抜価格を店内飲食より高く設定、または店内飲食の税抜価格を低く設定することで同一の税込価格とし、一の税込価格を表示する方法も挙げられている。この場合、「全て軽減税率が適用されます」や、「消費税は8%しか頂きません」といった表示を行うことは禁止されている。また、テイクアウト等の価格を店内飲食に合わせて値上げする場合、消費者への合理的な説明も必要となる。